日本英語 2010 8 1
これは、前から思っていたことですが、
アメリカ人が話す英語は変ではないかということです。
変なところで区切って発音する。
その上、前の単語と後ろの単語をつなげて発音する。
さらに、母音を省略し、子音だけで発音しようとする。
これでは、世界の人たちは聞き取れないのではないか。
そう思っていたところ、ちょうどよい本が見つかったのです。
書名 ニホン英語は世界で通じる
著者 末延 岑生 平凡社新書
おそらく、アメリカ人が話す英語は、英語の方言に近いと思います。
日本語で言えば、関西弁です。
たとえば、日本語を習得した外国人に、
いきなり関西弁を聞いてもらう。
おそらく、聞き取れないし、日本語だと思わないかもしれません。
関西の人は(特に大阪)、なぜか、いつも忙しく、気が短い。
だから、話す言葉は早く、発音しない部分があると思います。
著者の体験では、こういうことがあるそうです。
著者が中国の大学で英語を教えていた時、
同僚でアメリカ人の英語教授が、著者の部屋を訪ねてきたそうです。
アメリカ人教授が言うには、
自分の英語が学生たちに伝わらず、学生たちから突き上げられているのだという。
そこで学生に、「それなら、どんな英語をしゃべればいいのか」と聞くと、
「末延教授(著者)のような、しっかり区切るしゃべり方をすればいい」と言われたそうです。
そこで、信じがたいことだが、アメリカ人の教授が、
著者のところに、発音の相談に来たそうです。
ハワイ大学のスミス教授の研究によると、
アメリカ人の英語は、アジアの人々に対し55%の伝達率でしかないのに、
日本人の英語は、アジアの人々に75%という高い伝達率で理解されているという。
こんな話を読むと、
いつの日か、日本人がアメリカ人に英語を教える日が来るかもしれません。
(これこそ、日米同盟の深化の成果になるかもしれません)
自動車を輸出しすぎると貿易摩擦が発生しますので、
今度は、日本式英語を輸出することで世界に貢献できます。
おそらく、日本製の英語は、世界で歓迎されると思います。
著者によると、
世界では、英語を話す人口は、20億人で、
そのうち、英米人が4億人、アジアでは8億人と推定されます。
アジアでは、今後も人口が増える予定ですから、
英米人は、英語において少数派になるでしょう。